出口です。2016年(http://mbm.me.es.osaka-u.ac.jp/?p=1362)に引き続き、2017年のJBSE Papers of the Yearの一つに下記論文を選んでいただきました。
Deguchi S., Saito, A.C., Matsui, T.S., Huang, W.J., Sato, M., The opposite mechano-response of paxillin phosphorylation between subcellular and whole-cell levels is explained by a minimal model of cell–substrate adhesions. Journal of Biomechanical Science and Engineering, 12(2), 16-00670, 2017.
2018年機械学会年次大会(関西大学)にて、著者を代表して表彰状を頂きました。ありがとうございました。
下記は以前にこの研究室ホームページにて掲載していた「各論文の執筆経緯」(全て削除してしまいましたが)から、本論文に関するものを再掲します。

 

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JBSEでメカノバイオロジーの特集号があり論文投稿のお声かけを受ける。最初、大石君のかつての卒論AFMデータで論文を書き始めたが、途中で気が変わり(追加実験によって発展できるのではないかと夢想し始める)、大石データはやめて代わりに齋藤君の前の論文(Experimental Cell Research, 327(1), 1–11, 2014)で使わなかった実験での免染データに基づいて論文を書き始める。松井君がとっていたウエスタンのデータを見せてもらうと、免染と結果が逆であることに気づいて困る。具体的には、細胞内の張力が増えると、免染ではpaxillinリン酸化レベルが落ちるが、ウエスタンでは上がる。しかし粘って考え、focal adhesions(焦点接着斑)では確かに逆になるのがもっともらしいと気づく。それで意気揚々と松井君と古川君にお茶時間に説明して二人から褒められる。このアイディアは、分子生命と物理の両視点をもちそれぞれへの理解を追究しているからこそ出たものである、と語って自分たちを励ます。レフリーからの指摘に対するRevisionの追加計算はあつき君が手伝ってくれた。論文オーサーシップとしては謝辞の範囲内だが、それでも名前が謝辞欄に掲載されることを思いの外喜んでくれて、素直でいい子だなと。
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